「声よりも 空蝉にこそ 命見て」 腐阿魔多難禍
ちょっとグロテスクな空蝉(うつせみ)の集団。
空蝉は、古語の「現人(うつしおみ)」が訛ったもので、現にこの世に生きている人間、転じて現世を意味するとか。
それまでの途方もなく長かった7年間の土中の命と、フィナーレである7日間の蝉時雨を繋ぐ蝉の殻にこそ、生きることの意味を思う。
さりとて、短くともフィナーレのある蝉のほうが、陽の目を見ることなく遠からず朽ちていくであろうファーマータナカら凡夫より、各段に豪奢な生であるとも言えまいか。
(2014/07/30記)