桜の長いトンネルを抜けると石段があった。城跡の天中は霞んでいた。黒門に足が止まった。向側の杉木立から娘が降りて来て、多難禍の前を通り過ぎた。春の爽やかさが溢れていた。娘は軀いっぱいに若さを振りまいて、遠くへ呼ぶように…。(「雪国」のためノー…
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