朔風

ファーマータナカの歳時記的心。

第五十九候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」。

惚れた腫れたの時はもちろんだが、人の心にはいつも風が吹く。
曲の一つ作ってみても、句を一句ひねってみても、凡非凡を問わず、そこには必ずと言っていいほど、風が吹く。
日本の風の表現は、一説によれば2,000種余りもある。
自分には隙間風や空っ風がお似合いだ。

朔風(さくふう)とは北風、「朔」の字がいい。
冷たい木枯らしが紅葉した木の葉を落としていく頃という意。
やがて丸裸になるであろう木々、赤朽葉色の落葉は、吹き溜まりいつしか朽ち果ててゆく。
流転の中途、不完全なものの中に、誰しも己を重ねるのだ。
(それにしても、寒いぞ)

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