ムクゲ

よそんちの花シリーズ「ムクゲ木槿)」。

マンションの1階にある医院の駐車場にあった。

暑さで人や植物が元気のなくなる季節に、次々と大きな花を咲かせるムクゲは、盛夏を彩る代表的な花木。
国の繁栄を意味する花として韓国では国花。
だが早朝に開花した花は夕方には萎んでしまう「一日花」。

「槿花一朝(きんかいっちょう)の栄」(白居易/放言五首)とは、人の世ははかないの意。

泰山不要欺毫末 顔子無心羨老彭
松樹千年終是朽 槿花一日自為栄
何須戀世常憂死 亦莫嫌身漫厭生
生去死来都是幻 幻人哀楽繋何情

(現代語訳)泰山は、些細なものであっても適当に扱ったりはしない。孔子の高弟である顔回は夭折したが、長寿を保った仙人 彭祖を羨むことはない。松の寿命は千年というが、いつか朽ち果ててしまう。それに対し、ムクゲの花はたった一日の命だが、立派に咲いて全うする。どうして、生きることに執着し、死を怖れるのか。また、自分を無用なものと思って、生きていることを厭うのか。繰り返す生死はすべては幻にすぎない。幻に生き、幻に死ぬ人間にとって、喜びや悲しみはどんな感情だと思えばいいのだろう。