河津桜

今朝は寒い。
三寒四温は冬の季語だが、もう暫くはこういう日々なのかもしれない。

先日「九州一早い春の訪れ 五千本の河津桜」がキャッチフレーズの、大分県津久見市四浦半島にも立ち寄った。

心躍らせて駐車場に着くと、緑の葉桜の中にかろうじて花が残っている状態の河津桜が何本か立っていた。
駐車場の係のおいちゃんが、
「これから先に行ってももう桜は散っていて終わりです。」とつれない言葉。
同行の仲間の半数は、あっさり諦めて宿に向かった。
諦めの悪い私は、駄目元でもう一度観光案内所の人に尋ねてみた。
「もう少し先のどこそこまで行けば、散り始めてはいますがまだ咲いているところがあります。」
との情報をゲット。

何とか我慢できるほどまだ咲き残っている場所を見つけて帰路に着こうと宿へのナビを入れると、もう少し進んでUターンの案内。

そこがこの桜でした。

善因善果というではないか、神様仏様はちゃんと見ておられるのである。
ソメイヨシノの上品さや儚さに比べて、河津桜はちょっと…という向きもあるが、大満足だった。

大分県は16年間移住して農業を営んでいた、言わば第三の故郷でもある。
県人口は109万人で、福岡市人口164万人の2/3程度でしかない。
当時も過疎化高齢化が進んでいて、寂れる一方の県だった。
この地区は、平成16年の台風水害の翌年、復興と活性化のシンボルとして住民による植樹が始められたという。
今回訪れた佐伯市臼杵市も含めて、その山々や街並みや食材やその地に暮らした人々はとても魅力のあるものだったし、地方の確かな力を感じられた。

訪れることで微力ながら今後も我が故郷を応援していこうと思う。