桜の長いトンネルを抜けると石段があった。城跡の天中は霞んでいた。黒門に足が止まった。向側の杉木立から娘が降りて来て、多難禍の前を通り過ぎた。春の爽やかさが溢れていた。娘は軀いっぱいに若さを振りまいて、遠くへ呼ぶように…。
(「雪国」のためノーベル文学賞を逃した腐阿魔多難禍官能衝撃問題作「秋月」冒頭より引用)
「筑前の小京都」と呼ばれる「秋月」は、四季折々に、桜螢紅葉等が楽しめる。
「杉の馬場」と呼ばれる有名な桜並木は秋月城への登城道、かつては杉の大樹がたくさんあった由。
「黒門」はもともとは秋月城の大手門だったが、垂裕神社の神門として移築された。
「本證寺(ほんしょうじ)」の山肌を彩る桜も圧巻。