春待月

これから何回同じことを云えばいいのだろう。

歳をとると1年経つのが早い、「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」というジャネーの法則を持ち出すまでもない。

「It is not how old you are, but how you are old.」
~ by Jules Renard(フランスの小説家・詩人・劇作家、小説『にんじん』が有名)
(大切なのは、どれだけ歳をとったかということではなく、どのように歳をとったのかということである。)

解らんわけではない、時の流れの速さやよりも中身だと言いたいところだが、残念ながらそちらもすっからかん、どのみち Time は Flies するわけだ。

今日から12月、「師走」だと書きたいところ、だが他にも異名があった。
ただ「極月(ごくげつ・ごくづき)」「窮月(きゅうげつ)」「限りの月(かぎりのつき)」などは、「師走」と一緒で追い詰められている様で慌ただしく、いただけない。

ここは、せめて期待を込めて、今日から12月、「春待月(はるまちづき)」だ、といきたい。

この期に及んでまだ期待はする😝 



ファーマータナカの漢字クイズ。

柿の木も銀杏並木も、急に落葉が勢いを増している。


で、杮と柿。
柿はどっち、ていうかもう片方は何と読む?

一緒に見えるけど、なんと実は全く違う漢字。
最初の文字は杮(こけら)、「こけら落とし」でお馴染みの言葉で材木を削った木片・けずりくず、狭義では屋根をふくのに使う薄い板を指す。
2つの漢字の違いは、漢字の右部分のつくり部分で、柿は「市=なべぶた+巾」だが、杮(こけら)は、つくりの縦棒が突き抜けて1本になっていて、なべぶたと巾の間にスペースがあるかどうかが、具体的な違いになる。



グラデーション

秋のグラデーションは、負のイメージ。
自然も人も、枯れ果てやがて朽ちていく。
古来より日本人は、もののあわれの中に、美と無常を見た。

正のイメージのグラデーションだってある。
しっとり、女性のグラデーションヘアカラー。
鮮やかカクテルスタイル、プ―ス・カフェ。
きっと晴れる、東の空のレインボウ。

出来ればたまには、こっち側でいきたい。

今日から11月、「霜月(しもつき)」だ。




 

ハロウィンメイク

地方都市の当地でも、若者が結構仮装やハロウィンメイクして街を歩いているのを見かけた。

そういう時代なのである。

ただ、きっと誰にも変身願望はある。
仮装して繁華街に繰り出さないでも、加工という手もある。
(出演料の関係で往年のイケメン3流モデルの採用となったことをご容赦下さい)

ハロウィンメイクのかわいくて簡単なやり方 決定版



みそら色

空、色々。

青にも色々ある。
空の青は、空色(そらいろ)。

その中にみ空色(みそらいろ)というのがあって、明るく遠い秋の空のような薄い青色のこと。
接頭語の「み(御)」をつけることで、空に対する敬意を込めた。
その空色も刻々と変わっていく。

変るといえば俗に「女心と秋の空」と言うが、もともとは「男心と秋の空」という言葉であったとか。
女心の奥底は未だにさっぱり解せないが、確かに男心は何時も薄っぺらで移り気だ。

堂々巡りの人生に、み空色の空は、いつも高い。



法師の実

山法師  朱(あか)き実ぽつり  秋思かな  腐阿魔多難禍

夏、その白い花で一面真っ白だった山法師の木が、ぽつりぽつりと朱色の実を付けていた。
今から膨らむであろう緑の小さな実もびっしりなっている。

巡り来る豊穣と紅葉の時を前に、おっちゃんは淋しいのである。